Vision全国対戦レポート(とデッキ解説)

 前回疲れて書くのをやめた対戦レポートとデッキの解説を書きます。前回書いた調整録を(Vision全国調整録 - Nkentsukimiya’s diary)読み返したら、完成品がポンと出てきていて解説が何も無かったので、補足説明しようかなと……。

『ウィジャボ』

キャラ27
玉兎3(No.303)
ホフゴブリン3
レイセン3(No.785)
蓮子3(No.1911)
メリー2(No.477)
メリー1(No.1912)
幽々子3(No.1280)
紫2(No.1158)
フラン1(PR.156)
奸知チーム2
弁々2(No.1398)
妹紅2(No.1637)

コマンド23
アガルタ3
ウィジャ2
物理3
神仙2
激怒3
裏取引2
ロシアン3
ジェラシー3
スペース発電機2

サイド
インドラ1
ウィジャボ1
木菟咆哮1
鈴奈庵1
スペース発電機1
サンシャインニードル1
神仙術1
カタディ1
杞憂1
白銀の春1

  デッキとしての基本コンセプトは「ノードセットをせず、ノードセットしなかった分のリソース差で勝つ」ことです。ノードは1ノードか縦1横1の2ノードあたりを常に維持してパーミッションを構え、大抵のデッキがノード4までセットしないとゲーム出来ない事を利用して、ゲーム開始時点でついているハンド差2枚からアドバンテージ差を広げて勝ちます。なのでプレイングとしては妖怪絢爛デッキが最も近いと言えます、殴らんけど。

 しかし、この戦法には大きな穴があって、「相手はノードを伸ばすためにハンドを消費する」という前提が崩されると、アドバンテージ差をつけられずにカードパワー差で負けてしまいます。そして、この前提を崩す最もメジャーなカードが「 No.1203 霞網」です。そのため、このデッキはレイセン、物理術、アガルタの風、激怒の12枚体制の「絶対に霞網許さない体制」をしき、「ノードセット分のアドバンテージ差で勝つ」というコンセプトを完遂出来るようにしています。

 これらは地獄(前の記事の調整録にリストがあります)もウィジャボードも同じコンセプトで組まれた部分なので、ウィジャボード特有の強みを解説します。

 まず、蓮メリ地獄の最大の欠点は「蓮子を素引きしなければならない」ことにあります。蓮子さえ引ければ地獄を除外されまくって金伽羅やキクリを出せない展開に追い込まれていても除外から地獄を回収できますし、金伽羅キクリだけでは返せないような盤面(命蓮絡みの盤面や霊夢瞬、春の小径からの妖精大量展開など)も蓮子さえ引ければ返せますが引けなかった場合はそのまま負けてしまいます。しかし、ウィジャボデッキではウィジャボードさえ設置できていれば「無から蓮子を生成出来る」ので(ウィジャボでメリー除外で場に出す→自分の場の他のキャラに蓮子憑依+起動で手札に持ってくることが出来る)、「何も引かずに負け」という展開がないことが強みです。当然、地獄は「無から菫子を生成出来る」ので一長一短なのですが……。

 

 ……と、本当は「個々のカードの採用理由」とか書こうと思ってたんですけれど、デッキ全体の話になってしまいました。まぁ、個々のカードの採用理由とか書くのダルいし、基本的には「強いから」だけです。一応、「なんで??」って言われそうな奴だけ書くと、(No.1158)は「ユニオン素材(のと相手の立つ夜を使うと楽しい)」、フラン(PR.156)は「嫦娥(とついでに埋火・リーダー・業火絢爛)対策」、サイドのサンシャインニードルは「1番使うから」です。

 まぁ、結局何が言いたかったかというと、このデッキを使うなり弄るなりする時はここら辺のコンセプトを理解して使って欲しいな、っていうことです。よしなに。

 

 

~~~こっから全国対戦レポ(思ったより長くなった)~~~

〇予選1回戦 難題 〇〇

 N7の輝夜が入っているタイプの難題デッキ。挑戦者現る!とかも入っているやつ。

・1本目

 レイセン蓮メリウィジャボード~といった感じで並べてゆっくりしていたらメインから天文密葬法が飛んできてビビる。密葬法起動対応で蓮子起動干渉冥界にあるレイセンにスペース発電機てな動きでレイセンを回収して、返しにレイセン再設置でレイセンを切らさず動く。結局、相手はサーチが打てず、手からN7まで埋めてから輝夜プレイで手札ゼロにして難題サーチからプレイ。激怒を握れておらず止められなかったものの、蓮子起動回収から返しに蓮子で木菟咆哮をめくって難題を割り(相手は枝装備)→相手の輝夜パンチをレイセンでブロック+蓮子起動回収→次ターンに蓮子プレイで白銀の春を枝にうってからロシアンルーレットで処理して相手がサレ。

 

・2本目

 レイセンを並べながら密葬をケアしてノード2を維持しながら物理を構える。相手の動きが鈍っている間に奸智チームを場に出し、そこから紫とフランを出してそのまま殴って勝ち。

 

予選2回戦 お燐妖精(?) ベジホモさん 〇〇

 フィニッシュカードを見られなかったので詳細なデッキタイプは不明だが、No.1495 火焔猫 燐とNo.683 霊烏路 空のコンボで董子を出すデッキ。多分妹紅リアニとかが入っている。

・1本目

 蓮子からウィジャボードを設置するも、No.1913 リリーブラックで割られる。物理術握れてなかったの痛いな~と思っていたら、No.1495 火焔猫 燐が出てきてそのまま「どうぞ」と言ってしまい、No.683 霊烏路 空蘇生からリリーブラック火焔猫 燐で董子が出てきてしまう(手札にメリーを除外した時のインドラがあったので干渉でリリーブラックに打つべきだった)。幸いにもロシアンルーレットが通ったので董子は処理できたが2チャージを許してしまう展開に。その後、レイセンを設置すると相手の動きが弱くなったので、その隙に妹紅蘇生で除外されたウィジャボードを蓮子で回収しながら再プレイして鈴奈庵でハンドを補充、相手のカードをパーミッションしながら幽々子2体並べて勝ち。

 

・2本目

 なんか、めっちゃレイセンが刺さってる(董子のために小悪魔も入ってた)らしく、相手のお燐とリリーブラックを物理2枚で止めたらノーアクションになったので奸智チームから紫並べて勝ち。

 

予選3回戦 妖精ミッドレンジ 現場さん 〇〇

 No.1495 火焔猫 燐とかNo.1816 雲居 一輪とかNo.1375 リグル・ナイトバグとかが入っている、ルナチャから展開する由緒正しい妖精ミッドレンジ。めっちゃレイセンと物理が刺さる。

・1本目

 相手がマナ生妖精メイド→ルナチャ要石と動いてきたので、ウィジャボを手からプレイして幽々子除外で流す。その後の引きがめちゃくちゃ弱く(蓮メリを引かない落ちない)グダるも、フランを場に出せたのでチマチマ相手のコスト1のキャラを除去しながら幽々子の見えない「圧」をかけてたら相手の山が無くなって勝ち。(相手の場に要石があるのに妹紅の効果を起動したりした、冥界のカードを除外したかったらしい)

 

・2本目

 レイセンが刺さってる(相手がリグルプレイしながらハンドを2枚捨てているのを見てリグルにも刺さっているのに初めて気づいた)ので、相手の動きが弱い。蓮子からウィジャボードを設置し、弁々効果をホフゴブリンに乗せて回収効果起動→幽々子蘇生の動きを除外回収からめてガチャガチャしながら2回やって幽々子並べて勝ち。

 

予選4回戦 地獄 きいろ3さん 〇〇

 幽々子とかレミリアとかお迎えとか入っている純正の地獄。十凶星が入っているタイプ(だったと思う)。

・1本目

 レイセンが刺さってない(相手もレイセンを出してくるため)。墓地の落ち方で地獄なことがわりと早い段階で分かったので、奸智チームの効果で幽々子を出す。その後、丁寧にスペース発電機で相手の地獄を除外しながら幽々子を維持していると、相手が手から幽々子を出すプランにシフトしてきたので、相手が幽々子をプレイする前に2体目の幽々子を出す。そして、相手が幽々子をプレイしてきた返しに妹紅を蘇生し相手のアクティブに効果起動、ロシアンルーレットとか杞憂とかを打たれるもアガルタと激怒と神仙で全部止めてタフネス7まで落ちている相手の幽々子を処理。その後、再蘇生した妹紅で殴って勝ち。

 

・2本目

 蓮メリを絡めながら、スペース発電機で相手の地獄を丁寧に除外し続ける。相手がウィジャボードに白銀の春を打ち、レイセンディスカードが入ってハンドがほとんど無くなったので、蓮メリでウィジャボードを回収し幽々子と紫を出して効果を構えながら妹紅で殴って勝ち。

 

準々決 埋火 ババールさん 〇×〇

 埋火で相手のカードをパクって、除外コストでNo.1148 八雲 藍の最終テキストを発動させるデッキ。メインから無縁塚やらが入ってて面倒な上に、テレメスと埋火というマスカンが2種類入っているのでダルい。

 完全に余談ですが、地獄デッキをシェアした骨太さんというプレイヤーが居てですね、骨太さんは予選でババールさんと当たっていました。調整録にも書いたんですが、地獄デッキはババールデッキに有利だけれど、ウィジャボデッキはさほど有利ではなく負けうるマッチアップです。本来なら有利マッチアップの骨太さんは予選でババールさんに勝ってしかるべきなんですが、プレイミスから負けやがりまして、骨太さんの野郎がしっかり切っておかないからここで当たる羽目になったじゃねえか馬鹿野郎ってキレるかと思いましたね、ええ。まぁ、勝ったんで良いんですけれど。

・1本目

 ババールデッキへの勝ち方は調整会の経験から大体分かっていて、「テレメスと埋火を全部止めて幽々子か紫を出す」こと。ババールデッキは「露西亜んルーレットが入っていない(マジ?)」ので出てしまったデカブツを処理する方法が十二神将の宴とスカデビぐらいしか無く、そこは余りがちな物理術で止めればいいので最初からそのプランで攻める。

 玉兎とホフゴブリンスタートから神仙をケアして1ターン待って蓮子からウィジャボ。次の相手ターンにアガルタで取材を止める→リーダーマミゾウ着地→取引を通して干渉でロシアンルーレットで除去。本来なら激怒を取引に当てるが、テレメスと埋火を通せないのでスルー、ダルい。返しに新弾のメリーから鈴奈庵でハンドを稼ぐ。これが通ったので一気に楽に。相手のリリーホワイトや埋火を全部弾いて幽々子と妹紅でマウントとって勝ち。

 

・2本目

 初ターンのレイセンをエンド前に風穴で除去されドロー出来ず。次のターンの新弾メリーでサイド後の天文密葬法に無駄におびえてウィジャボではなくサンシャインニードルを選択。これがミスで(サイドから天文密葬法抜けてたし)、その後蓮子もウィジャボも引かず、また露西亜んルーレットも引かないので相手のリーダーマミゾウが処理できない。リーダーマミゾウから春の小径でリリーブラックが出てきてハンデスを食らい、No.1386 リリーホワイトからリリーブラックを釣ってハンデス、マミゾウの効果で回収された発狂藍プレイで冥界の妹紅と幽々子を除外され董子つくられてサレンダー。

 

・3本目

 サイドから天文密葬法が抜けてる気がしたのでケアせずに動くことに。こちらの玉兎やホフゴブリンを風穴や春乞いで除去され中々アドバンテージを稼げないが、ウィジャボードを設置しながらレイセンを維持。リリーブラックにハンドを削られる中、リーダーマミゾウが処理できない展開。リソースが厳しめの試合運びだったが、相手がリーダーマミゾウの人気を上げるために殴ってきてくれたのでグレイズでかなり楽になる。ウィジャボード蓮子憑依起動から回収した蓮子でめくった木菟咆哮でマミゾウを処理。その後、相手がレイセンが居る場で天狗の取材をプレイして2ハンデス(プレミだったらしい)。取材でキャッチしたリリーホワイトからリリーブラックが出て来るが、レイセンで2ハンデスが入ったのが大きく(無縁塚とカタディがディスカードされた)、奸智チームを出すことに成功して盤面作って勝ち。

 

準決 蓮メリ地獄 木星帰りさん 〇〇

 お迎えと命蓮とヤマメが入っているタイプの蓮メリ地獄。木星帰りさん……いったい誰なんだ……。


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・1本目

 相手が1ターン目キャラを出さずにこちらのターンに働かない式神、こちらはレイセンスタート。相手は2ターン目に蓮子プレイでサンシャインニードル、こちらはエンドにホフゴブリン(幽々子落ち)。相手がこちらのエンドにホフゴブリンをプレイしたので、相手のアクティブにウィジャボードプレイし起動。相手の露西亜んルーレットを激怒で止めて蓮子とホフゴブリンを処理する。その後、奸智チームで幽々子を場に出し、マウント取って勝ち。

 

・2本目

 相手はレイセンスタート。こちらは相手の裏取引や蓮子を止めながらレイセンと蓮子をプレイ(ウィジャボをめくる)。相手はそのエンドにホフゴブリンプレイ、相手のアクティブにウィジャボをプレイしノードに仕込んでおいた幽々子レイセンとホフゴブリンを除去。その後、新弾のメリーを引いたので鈴奈庵でドローしようとするも朱鷺色で止まる。少し勝負を急いでしまい、その返しに奸智チームを出そうとするも、相手がアガルタケアの地獄プレイから露西亜んルーレットをプレイしたため通らず。ノードをすべて使ってしまったので少しグダるも、蓮子起動回収に対応で相手が露西亜んルーレット→対応でメリーの効果を起動→さらに相手が露西亜んルーレット→それに対応で露西亜んルーレットと動き、蓮子とメリーをハンドに加えることに成功、相手はハンドゼロになったのでそのアド差のまま奸智チームを展開して勝ち。

 

決勝 蓮メリ地獄 ゐどさん 〇〇

 低ノードに寄せ切った蓮メリ地獄。風水が入ってる。


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・1本目

 玉兎メリー除外蓮子の2ターン目に鈴奈庵をうつブン周り。さらに相手の展開したキャラクターを手から打ったウィジャボードからの幽々子で除去する。相手は蓮子でめくった白銀の春でウィジャボードを割るがレイセン効果が誘発して一気にハンドを失う。そのアド差のままマウントをとり奸智チームから幽々子展開で勝ち。(ウィジャボードを違法プレイしたりメリーの誘発を忘れたりと酷い)

 

・2本目

 蓮メリは引けないものの、ウィジャボード幽々子除外で相手のキャラクターを除去→奸智チームで幽々子を場に出すが決まる。幽々子が一旦場に出てしまうと蓮メリ地獄はしばらく動けないので、ゆっくり盤面を展開していき幽々子の2体目と紫を出してから妹紅で殴る。相手は魔鏡プレイから董子を作って幽々子を除去するしかないので、相手の魔鏡2枚のプレイを止め、相手のひとり杞憂に対応で冥界に幽々子を落とし弁々の蘇生効果を付与することで幽々子を復活させることで盤面を維持して勝ち。

レイセンの違法プレイが行われており酷い)

 

 

 対戦を振り返ると、地獄に有利なデッキ構造が優勝に大きく働いたことを実感します。反面、地獄ではないため冥界専用メタが採用されているババールさんとの試合で1本落とすことになってしまいましたが、直前にババールデッキを意識して除去をジェラシーに変えたりサイドに白銀の春を採用したりしたことが活きて勝つことが出来ました。最後の方は誘発忘れや違法プレイが目立ちましたが、「このデッキを回すのは疲れる」という言い訳で締めさせていただきます。

Vision全国調整録

Visionの全国大会優勝しました。高1だかの頃に始めたので……もう8年前……?ホンマか??みたいな感じですが、今まで大きな大会で結果を残せてなかったので、素直に嬉しいです。

 

せっかく勝ったので調整録を残します。ちなみにクソ長いです。

 

・2016年9月~11月

 8月は蓮メリエラッタ前の1キルデッキを作って遊んでたらBANされました、残当。流石に必要カード数枚で1ターン目に相手のハンド全部吹き飛ぶのは許されなかった。

必要なカード、蓮メリサーチ+ハクタクけーね+N7以上のカード
サイドボードにN1けーね昭和の雨昭和の雨墨染の桜
メインにオールドヒストリー(と紅葉狩り

蓮メリサーチで、1Nけーねと昭和の雨→けーねプレイハクタク進化→昭和の雨で蓮メリサーチを持ってくる→蓮メリ起動効果で除外されてるN7と蓮メリどっちかを回収→蓮メリサーチプレイ→昭和の雨と墨染の桜をめくる→墨染の桜をプレイして符幽々子と墨染の桜(ややこしい)→昭和の雨をプレイしてオールドヒストリーを持ってくる(ノードにいってたら紅葉狩り)→蓮メリの効果を起動して除外されてるN7と蓮メリのどっちかを回収→オールドヒストリーをプレイ(昭和の雨と墨染の桜が回収出来る。紅葉狩り経由したら紅葉狩りと昭和の雨)(手札コストでサーチした幽々子と除外から回収したN7カードを捨てる)→昭和の雨をプレイして死霊の復活を持ってくる→幽々子を釣って墨染の桜(ややこしい)をプレイ

(蓮メリエラッタ前に唱えていた呪文) 

 

この頃に主に調整していたのは永遠亭、リーダー布都、立つ夜で、永遠亭は決闘のスペルカードで輝夜と永夜返しを手札に加え、蓮メリで永夜返しを回収して無限ターンに入って勝つデッキ。しかし、環境に董子が多すぎて輝夜が生存出来なかったためにあんまり奮わず。リーダー布都は一瞬でリソースが枯れるのが問題で、立つ夜が頭一つ抜けているかな、といった印象でした。この頃、スキマ妖怪さんがボクの作った立つ夜で秋紙舞を優勝してたりします(http://huyutuki.com/vision/kaguya/rdetail.php?id=04409)。

 立つ夜tier1環境が2ヵ月程度続いて、立つ夜デッキの最大の欠陥に気づきます。それは「後手の時に立つ夜ミラーで勝てないこと」。立つ夜デッキは構造上、マナ加速から高速で紫を出すことに特化していて、先に紫を出されて結界が2枚つくと返す手段がほとんど無いという大きな弱点がありました。立つ夜デッキに立つ夜メタの紫色を超える光を入れたり色々しましたが、結局「立つ夜を使っている以上、立つ夜ミラーがじゃんけんになる」という問題は解決されず立つ夜に勝てる別のデッキを模索することに。

 

・2016年12月

 この頃、札幌勢のせきさんからめちゃくちゃ強いデッキを授かります。それが決闘のスペルカードを最大限に活かした荼枳尼天ワンショットデッキです(http://huyutuki.com/vision/kaguya/rdetail.php?id=04584)。異常なまでの安定した3キル率と2割近い2キル率、盤面を取られても全除去で返せる受けの広さで、間違いなく環境最強デッキでした。エラッタ来なければ全国で使うデッキはこれやな、と思っていましたが、長年の経験からこのオモチャは壊される気がしたので他のデッキも調整することに。

 立つ夜デッキの弱点は、最初数ターンの盤面が貧弱なこととアドバンテージを稼ぐ手段が弱いこと。そのため、紫が出てくる前にライフを削り切って勝つデッキかアドバンテージ差をつけて紫を捌くor出させないで勝つデッキが候補に。前者はいわゆる絢爛デッキが候補でしたが環境に存在するリストの完成度が高く、自分でブラッシュアップする自信が無かったのでひとまず保留。後者は色々候補がありましたが、環境初期に使っていた蓮メリ永遠亭のアドバンテージ獲得能力が高かったので、そこから調整を始めました。

 新弾の蓮子と除外から戻ってくるメリーを組み合わせると、除外ゾーンにあるカードを3コストと召喚権で何度も回収できる(元はこれで永夜返しを無限に回収していた)ので、カードを除外できるエンジンとともに使うことでパーミッションや除去を使いまわして勝つデッキを考えました。それがこれ↓

 

『永遠亭』
キャラ22
けーね3
ハクタクけーね3
えーりん3(優曇華出すやつ
優曇華3(ノード下げるやつ
蓮子3
メリー2
メリー1
妹紅(7/2)3
小悪魔1

 

スペル5
テレメス3
ネクスト2

 

コマンド23
マナ生3
霞網3
取引3
鈴奈庵3
阻止3
春乞い2
変装3
ロシアンルーレット3

 

サイド
インドラ2
妖魔夜行1
スペース発電機1
変装1
埋火1
ライフゲーム1
ネクスト1
空海1
サンシャインニードル1

『地獄』

キャラ25
玉兎3
ホフゴブリン3
レイセン3
キクリ3
コンガラ3
レティ2
メリー2(除外から戻って来るやつ
メリー1(新弾
蓮子3(新弾
リーダーこころ2

 

コマンド25
働かない式神3
ロシアン3
地獄3
魔鏡3
神仙3
激怒3
裏切りの少女2
紫色2
物理術3

 

サイド10
インドラ1
菫子2
サンシャインニードル1
鈴奈庵2
スカデビ1
瞬1
トゥインクルサファイア1
生者流離の鎌1

 永遠亭はいつの間にか輝夜が解雇され、永夜返しではなくテレメスを連打するデッキになりました。除外エンジンとしてNo.1637 藤原 妹紅を採用しています。地獄はノードを伸ばさず低ノードの打ち消しを使って立つ夜のリソースを削り、董子を出すことで紫を封じて勝つデッキで、金伽羅が除外エンジンとして働きます。他にもNo.1834 藤原 妹紅を除外エンジンとして使う妹紅リアニも組んだのですが、除外エンジンを引けない時の動きが弱く、No.1637 藤原 妹紅や金伽羅のように冥界(地獄)に落ちるだけでエンジンとしての仕事を果たすカードの方がベターという結論になりました。

 

・2017年1月

 まぁ、当然のように決闘のスペルカードにエラッタが入ったので、エラッタ後環境での新しいデッキを模索することになります。鵺がエラッタで弱体化したため、立つ夜デッキもかなり弱体化しましたが、それでもリーダーマミゾウなどを得てまだ一線級でした。結局、12月時点で組んだ永遠亭と地獄を調整する方向で進めたのですが、全国大会に向けて今年はある作戦を考えていました。

 それは「全国まで本命デッキを隠す」ことです。知らない人はなんのこっちゃ、って感じの話ですが一昨年(難題衛星斬)も去年(高天原)も全国前の1月~3月までにかけて新デッキで大会を荒らして回り、全国では大きくメタられて負ける結果となっていました。そのため、今年は今までの反省を活かして本命を全国まで隠してメタられ(また、運営からBANされ)ないようにする作戦を取りました。VisionはMTGなどと違ってプレイ人口が少ないため、他のTCGであれば1ヵ月もすればその環境の結論構築が出回ってしまうところを3ヵ月程度ならば自分のたどり着いた結論構築に他の人が辿り着かない(居ても数人)だろうという目算があったからです。結果的にその作戦は成功するのですが、2月~4月の間は本命ではない弱いデッキで大会に出続けることになり優勝を逃し続けていたため、もにょもにょした気分を味わいました。

 

・2月

永遠亭と地獄を調整した結果それぞれ以下のような形に。

永遠亭
キャラ19
霖之助3(デッキトップ破棄するやつ
えーりん3(優曇華出すやつ
優曇華3(ノード下げるやつ
蓮子3
メリー2
メリー1
妹紅(7/2)3
小悪魔1

 

スペル3

テレメス3

 

コマンド28

マナ生3
霞網3
取引3
鈴奈庵2
人間サーチ2
阻止3
威令2
ロシアン3
春乞い3
変装2
スペース発電機2

 

サイド
インドラ1
菫子1
月の妖精1
スペース発電機1
変装1
埋火1
ライフゲーム1
鈴奈庵1
白銀の春1
サンシャインニードル1

地獄こころ

キャラ26
玉兎3
ホフゴブリン3
レイセン3
キクリ3
コンガラ3
朱鷺色の妖怪2
メリー2(除外から戻って来るやつ
メリー1(新弾
蓮子3(新弾
リーダーこころ3

 

スペル2
烏合の呪2

 

コマンド22
働かない式神3
ロシアン3
地獄3
魔鏡3
神仙2
激怒3
裏取引2
物理術3

サイド10
インドラ1
菫子2
サンシャインニードル1
鈴奈庵1
スカデビ1
瞬1
白銀の春1
生者流離の鎌1
御射山神事1

 永遠亭はけーねギミックがノイズになることが多かったので抜いて霖之助を採用、地獄は紫色を超える光とレティがレイセンと合わせて過剰なメタになっていたので、ドローを止められる朱鷺色の妖怪と大量展開した妖精やリーダー布都などを処理できるように烏合の呪を採用しました。

 ここで永遠亭に弱点が発覚します(前々から分かっていたことだけれど)。それは、「絢爛に勝てない」ということです。

 「テレメスを連打する」というデッキのコンセプト上、当たり前のようにウィニーに弱く、全国大会の上位には「「「必ず」」」絢爛がいるので全国で使うデッキとしては永遠亭は地獄より少し落ちる形になりました。

 永遠亭が候補として微妙だな、と思い始めた頃に新しいデッキ案が浮かびます。それは「蓮メリ出してNo.1926 宇佐見 菫子をウィジャボードで除外して外の世界打てば1キル出来るじゃん」というものです。結果的には「オカルトボールが冥界にある」条件が想像以上にキツく、このデッキは解体されるのですがその副産物として全国で使用したウィジャボデッキの雛形が出来ます。

キャラ28
レイセン3
玉兎3
ホフゴブリン3
蓮子3
メリー2
メリー1
弁弁2
幽々子3
レティ3
マミゾウ(N8)2
暗黒の奸知チーム1
魔理沙2

コマンド22
ウィジャ2
物理3
神仙2
陰謀論3
激怒3
ロシアン3
裏取引2
発電機2
杞憂2

 基本的な動きは地獄と一緒ですが、冥界のままのため陰謀論を採用できる点が大きなメリットでした。しかし、除外エンジンがウィジャボードしか無いため金伽羅のように除去やパーミッションを除外して再利用する動きが出来ないため小回りがきかない弱点がありました。

 

 

・3月

 この頃、前述のとおり本命デッキを隠したまま大会に出ており、「本命デッキとメタカードは被っていないけれど、そこそこ戦えるデッキ」として伊吹妖夢を使っていました(http://huyutuki.com/vision/kaguya/rpdf.php?id=04674&no=01)。このデッキで伊吹杯で回収出来るため使用していたNo.1431 アガルタの風が地獄やウィジャボードといった低ノードデッキと相性が良いことが分かり、採用することとなります。特にウィジャボードは相手ターンに能動的に動くことが出来る(相手にレスポンスを強要出来る)ため、タイミングが限定されがちなアガルタの風を腐らせずに使用できる点が好感触でした。

 また、川崎公式で廣井さん(木星帰りさん)が蓮メリウィジャボードデッキを使用していて、デッキを見せてもらったところNo.1637 藤原 妹紅を除外エンジンとして採用していて衝撃を受けました。除外エンジンとしてNo.1637 藤原 妹紅を使うデッキは自分も組んでいましたが、ウィジャボードデッキのような冥界利用デッキで冥界をバカ食いするNo.1637 藤原 妹紅を採用するのは流石にアンチシナジーではないか(陰謀論も採用できなくなるし)と思っていたのですが、実際に試すと想像以上にデッキにマッチしていて陰謀論が抜けるデメリットを補って余りあるパワーを発揮していたため即採用となりました。廣井さんすげえ。

 

・4月~5月

 調整会で様々なデッキと対戦を繰り返して地獄とウィジャボードの微調整をしました。環境に存在するデッキのほぼ全てとマッチ形式で試合をして調整を重ね、その調整会の結果分かったことは

・地獄もウィジャボードも殆どのデッキに有利

・絢爛とババールデッキ(http://huyutuki.com/vision/kaguya/rpdf.php?id=04674&no=01)が数少ない負けうるデッキ

・地獄の方がウィジャボードに比べて絢爛とババールデッキに有利

ウィジャボードは地獄に有利

これらを元に絢爛や埋火を意識して微調整を加えた最終リストが以下のものです。

地獄
キャラ23
玉兎3
ホフゴブリン3
レイセン3
キクリ3
コンガラ3
メリー2(除外から戻って来るやつ
メリー1(新弾
蓮子3(新弾
リーダーこころ2

スペル2
烏合の呪2

コマンド25
働かない式神3
ロシアン3
地獄3
魔鏡3
神仙2
激怒3
物理術3
アガルタ3
杞憂2

サイド10
インドラ1
菫子1
サンシャインニードル1
スペース発電機1
鈴奈庵1
スカデビ1
ヒューマンケージ1
木菟咆哮1
青木が原1
御射山神事1

 

『ウィジャボ』

キャラ27
玉兎3
ホフゴブリン3
レイセン3
蓮子3
メリー2
メリー1
幽々子3
紫2
フラン(PR156)1
奸知チーム2
弁弁2
妹紅2

コマンド23
アガルタ3
ウィジャ2
物理3
神仙2
激怒3
裏取引2
ロシアン3
ジェラシー3
スペース発電機2

サイド
インドラ1
ウィジャボ1
N1N4破棄1
鈴奈庵1
スペース発電機1
サンシャインニードル1
神仙術1
カタディ1
杞憂1
白銀の春1

 

 地獄は絢爛対策としてサイドに青木ヶ原を採用、ウィジャボードババールデッキ対策のために白銀の春をサイドに採り、メインの除去をジェラシーに変更しました。

 デッキは完成したものの、最後に残った大きな問題は「地獄とウィジャボードのどちらを使うか」という問題でした。地獄の方が絢爛とババールデッキ(埋火)に強いため、予選を抜けて決勝トーナメントに進出出来る確率は高いと考えられましたが、最終的に優勝するためには地獄に勝たなければならず、ミラーの不安定さを考えてウィジャボードを選択しました。結果的にベスト8に地獄が4人もいたことを考えると正しい選択でした。(全国大会の対戦レポも書こうかと思っていたのですが、疲れたのでまた今度)

 

あらためて、Phantom Magic Visionというカードゲームを長くやってきて、自分で調整を重ねたデッキで全国大会を優勝することが出来て感無量です。このゲームを作り出し運営してくれたM.I.Wの皆様と、一緒に調整に付き合ってくれたチーム好青年に感謝したいです。1プレイヤーとして、Phantom Magic Visionが今後も続いていってくれることを願っています。